不妊治療にも用いられる糖鎖とは
アミロースやセルロースといった様々な糖鎖は、アミノ酸でグルコースが複数結合してできた要素です。
結合の形は何通りもあり、網状だったり鎖状だったりします。
結合している数も2つから数万と実に多様です。
分子が複数結合して大きなまとまりを作っている状態を、ポリマーと言います。
糖類だけで結合しているポリマーはホモポリマーといい、糖類がタンパク質や脂質と結びついた状態をヘテロポリマーと呼んでいます。
ヘテロポリマーの中でタンパク質と結びついたものは糖タンパク、脂質と結びついたものは糖脂質といい、人の体の生理現象に対して大きな役割を持っているものです。
現代人はストレスや食生活の変化によって糖鎖が不足しているといわれています。
本来なら細胞の表面に膜のように存在し、ホルモンを作ったり神経伝達物質のやり取りをする仲立ちの役割をするものです。
そのほか正常な細胞分裂を促したり免疫を維持したりもします。
多くの人の体内で、必要量の40%まで細胞表面の糖鎖が減っているという研究もあります。
不妊に悩んでいる人にとって大きな問題で、細胞に栄養が取りこまれなかったり正常に増えていかなかったりするので卵子の成熟が阻害されるのです。
これを解決するために、ヘテロポリマーであるビタミンB群やレバーのようなタンパク質と、ミネラルの亜鉛や鉄を採ることが求められています。
まずは母体が必要な栄養を受け取れるよう細胞の環境を改善すること。
それが健康な妊娠につながると考えられているからです。